近年、密を避けたレジャーや自由な旅のスタイルとして「車中泊」が大きな注目を集めています。

しかし、車中泊を楽しむ上で常に課題となるのが「どこに泊まるか」という場所の確保です。

道の駅や高速道路のサービスエリアは本来、休憩施設であり、本格的な宿泊は推奨されないケースも少なくありません。

こうした背景の中、大手コンビニチェーンのローソンが駐車場を車中泊スポットとして貸し出す画期的なサービスを開始し、旅行者の間で大きな話題となっています。

本記事では、サービスの詳細や予約方法、注意点などを詳しく解説します。

駐車場での車中泊サービスを本格始動したコンビニは「ローソン」

これまでコンビニの駐車場での車中泊は、マナー違反や無断駐車としてトラブルの原因になることが一般的でした。

しかし、ローソンはこの課題を逆手に取り、公式に駐車場を宿泊スペースとして提供する取り組みを始めています。

この取り組みは、車中泊スポットのシェアリングサービスを展開する「Carstay(カーステイ)株式会社」との提携によって実現しました。

コンビニという日本全国どこにでもあるインフラを活用することで、車中泊旅行者の利便性を飛躍的に高める狙いがあります。

ローソンが車中泊サービスに参入した背景

なぜ、コンビニが車中泊サービスに乗り出したのでしょうか。

そこには、コンビニ業界が抱える課題と、近年の旅行スタイルの変化が深く関わっています。

地方のコンビニでは、広大な駐車場を持ちながらも、夜間の利用客が少ない店舗も存在します。

一方で、車中泊を楽しむユーザーは「24時間トイレが使え、防犯性が高く、食料も調達できる場所」を切実に求めていました。

この両者のニーズが合致したのが、今回のサービスです。

店舗側にとっては駐車場の空きスペースを有効活用して収益化できるだけでなく、利用者が店内で買い物を行うことによる売上アップも期待できます。

利用者側にとっては、公式に許可を得て堂々と泊まれる安心感があるため、双方にメリットがある仕組みといえます。

提携パートナーであるCarstay(カーステイ)とは

このサービスを支える重要なパートナーがCarstayです。

Carstayは、全国の駐車場や空き地を車中泊スポットとして登録・予約できるプラットフォームを運営しています。

ローソンはこのCarstayのシステムを導入することで、予約の受付から決済までをオンラインで完結させる仕組みを構築しました。

店舗のスタッフが直接予約管理を行う負担を軽減しつつ、スムーズな運用を可能にしています。

ローソンで展開されている「車中泊サービス」の内容

ローソンの車中泊サービスは、単に「駐車して良い」というだけではありません。

車中泊専用のスペースが確保され、安心して一晩を過ごせる環境が整えられています。

サービスの基本スペックと利用料金

店舗によって詳細は異なりますが、一般的なサービス内容は以下の通りです。

項目内容の目安
利用料金1泊 1,000円 ~ 3,000円程度(店舗による)
利用可能時間15:00 ~ 翌10:00(例)
予約方法Carstay公式サイトまたはアプリから事前予約
設備24時間利用可能なトイレ、ゴミ回収(一部有料)、電源(店舗による)

料金設定は非常にリーズナブルであり、コインパーキングに長時間駐車するよりも安く、かつ安全に滞在できるのが特徴です。

設置店舗の拡大状況

当初は一部の店舗から試験的に導入されましたが、現在は静岡県や千葉県、神奈川県など、観光客の多いエリアを中心に順次拡大しています。

特に、道の駅が近くにないエリアや、高速道路のインターチェンジから近い店舗での需要が高まっています。

最新の設置店舗情報は、Carstayの検索画面で「ローソン」と入力することで簡単に確認できます。

今後は、地方創生や災害時の拠点としての活用も見据え、さらに多くの地域へ展開されることが期待されています。

コンビニで車中泊をするメリット

数ある宿泊手段の中で、コンビニの駐車場を選ぶメリットはどこにあるのでしょうか。

その利便性は、他の車中泊スポットにはない独特のものです。

24時間営業の利便性と安心感

最大のメリットは、何といっても24時間営業の店舗がすぐ隣にあることです。

1. トイレと衛生環境の確保

車中泊で最も困るのがトイレの問題です。

コンビニなら常に清掃が行き届いたトイレを無料で利用できます。

また、ウェットティッシュや歯ブラシなどの衛生用品をすぐに買い足せるのも、長期旅行者には嬉しいポイントです。

2. 防犯性の高さ

深夜でも店舗の明かりがついており、スタッフが常駐しているため、一般的な公園や暗い駐車場に比べて圧倒的に防犯性が高いです。

防犯カメラも設置されているため、女性や一人での車中泊でも心理的なハードルが下がります。

食料と備品の調達が容易

「お腹が空いたらいつでも温かい食べ物が買える」という環境は、車中泊において大きなアドバンテージです。

ローソンの場合は、店内調理の「まちかど厨房」を備えた店舗もあり、出来立てのお弁当やパンを楽しむことも可能です。

また、冬場のカイロや夏場の冷たい飲料など、季節に応じた対策グッズもその場で購入できます。

忘れ物をしてもすぐに解決できるという安心感は、コンビニ車中泊ならではの魅力です。

ローソンの車中泊予約・利用方法

実際にローソンで車中泊を利用するための手順を解説します。

飛び込みでの利用は基本的にできないため、事前の準備が必要です。

STEP1
Carstayで対象店舗を検索

まずCarstayの公式サイトまたはスマートフォンアプリを開き、検索窓に「ローソン」や目的地を入力して車中泊が可能な店舗を探します。

STEP2
予約とオンライン決済

利用したい店舗が見つかったら日付と人数を選択して予約へ進みます。

支払いはクレジットカード等によるオンライン事前決済となり、当日に店舗のレジで煩雑なやり取りをする必要がなくなります。

STEP3
当日のチェックイン

予約した時間に店舗へ到着したら指定された駐車スペースに車両を停めます。

店舗スタッフへの声掛けが必要な場合もありますが、多くは予約画面を提示する、あるいは車両に予約済みである旨を表示するだけでスムーズに利用開始できます。

STEP4
利用中の過ごし方

滞在中は騒音を立てない、アイドリングを停止するなど決められたルールを守って過ごします。

ゴミについては店舗によって「持ち帰り」か「専用のゴミ箱(有料・無料)」かが異なるため、予約時の詳細情報を必ず確認してください。

利用時に守るべきマナーと注意点

コンビニでの車中泊サービスは、店舗の厚意と利用者のマナーによって成り立っています。

マナー違反が重なれば、サービスの提供が中止される可能性もあるため、以下のルールは必ず厳守しましょう。

アイドリングは厳禁

近隣住民や他の利用者への迷惑となるため、停車中のエンジンかけっぱなし(アイドリング)は禁止されています。

夏場や冬場の温度調節には、ポータブル電源を活用した扇風機や電気毛布など、エンジンを使わない対策を準備しておきましょう。

火気の使用と車外調理の禁止

コンビニの駐車場はガソリン車も頻繁に出入りする場所です。

火災の危険があるため、カセットコンロなどの火気使用は絶対にNGです。

また、キャンプ場ではないため、車外にテーブルや椅子を出しての調理や飲食も認められていません。

食事は店内で購入したものを車内で楽しむのが基本スタイルです。

騒音とマナーへの配慮

夜間の大きな声での談笑、ドアの開け閉めの音、テレビやラジオの音量には細心の注意を払いましょう。

コンビニは多くの人が利用する公共性の高い場所であることを忘れず、周囲への配慮を怠らないことが大切です。

予約したスペース以外の利用

車中泊用に割り当てられたスペースは決まっています。

一般の利用客の妨げにならないよう、必ず指定された枠内に駐車してください。

大型車などで枠をはみ出す場合は、事前に店舗へ確認が必要です。

コンビニ車中泊の将来展望

ローソンのこの取り組みは、日本の「旅のインフラ」を大きく変える可能性を秘めています。

今後、どのような展開が期待されるのか考察します。

地方創生の新たな拠点へ

過疎化が進む地域において、コンビニは生命線です。

そこに車中泊拠点が加わることで、通過点だった場所が「滞在拠点」へと変わります。

観光客が宿泊し、地元の特産品をコンビニで購入したり、近くの日帰り温泉を利用したりすることで、地域経済への波及効果が期待されています。

災害時の避難場所としての活用

近年、地震や水害時の「車中避難」が注目されています。

普段からコンビニでの車中泊に慣れておくことは、いざという時の避難シミュレーションにもなります。

ローソンのような大手が車中泊を受け入れる体制を整えることは、地域の防災力向上にも寄与するでしょう。

EV(電気自動車)充電との連携

今後、電気自動車の普及に伴い、コンビニ駐車場での充電ニーズが高まります。

EV充電設備を備えた車中泊スポットが増えれば、「寝ている間に充電を済ませる」という効率的な旅が可能になります。

ローソンも一部店舗で充電設備の導入を進めており、車中泊サービスとの相乗効果が期待されます。

まとめ

駐車場での車中泊サービスを正式に開始したコンビニは「ローソン」であり、Carstayとの連携によって安全で便利な宿泊環境を提供しています。

これまでの「無断で泊まる」という後ろめたさから解放され、公式なサービスとして利用できるようになったことは、車中泊旅行者にとって大きな前進です。

24時間利用可能なトイレ、防犯性の高さ、そして食料調達のしやすさといったコンビニ特有のメリットは、他の施設にはない強みといえます。

利用にあたっては、Carstayを通じた事前予約を忘れずに行い、アイドリングストップや騒音防止などのマナーを徹底することが不可欠です。

私たちがルールを守ることで、この便利なサービスが全国の店舗に広がり、日本の車中泊文化がより豊かになっていくことでしょう。

次の旅行計画には、ぜひローソンの車中泊サービスを組み込んで、新しい自由な旅の形を体験してみてはいかがでしょうか。