「EVはやめとけ」という意見を見て、購入を迷っている方もいるのではないでしょうか。

EVには、充電場所や航続距離、車両価格、将来の売却価格など、購入前に確認したい点があります。

一方で、自宅で充電でき、普段の走行距離が短い人にとっては、EVが便利で経済的な選択肢になる場合もあります。

この記事では、EVが「やめとけ」と言われる理由や、オーナーから聞かれる不満、購入に向いている人・向かない人を整理して解説します。

「EVはやめとけ」と言われる主な理由

EVが敬遠される背景には、車両の性能だけでなく、住環境や充電設備、使い方との相性があります。

まずは、購入後に不満につながりやすいポイントを確認しましょう。

充電に時間がかかる

ガソリン車は給油にかかる時間が比較的短い一方、EVは充電量や充電器の出力によって、充電に必要な時間が大きく変わります。

自宅に普通充電器を設置できれば、夜間など車を使わない時間に充電できますが、外出先の急速充電では、充電器の出力や車両側の受け入れ性能、バッテリー残量などにより待ち時間が生じます。

充電中に車を離れられる場所もありますが、充電器の順番待ちや、充電設備のある場所までの移動が必要になることもあります。

「ガソリンスタンドに立ち寄る感覚で、短時間に満充電できる」と期待すると、使い勝手の違いに戸惑う可能性があります。

充電場所を確保できないことがある

戸建て住宅で駐車スペースがあり、充電設備を設置できる場合は、自宅で充電しやすくなります。

一方、集合住宅では、駐車場に充電器がない、設置の合意形成に時間がかかる、利用できる区画が限られているといった課題があります。

近隣の公共充電器を使う方法もありますが、利用状況や営業時間、故障の有無によっては、予定どおりに充電できないことがあります。

購入前には、職場やよく行く商業施設、旅行先の充電設備も含め、普段の生活圏で無理なく充電できるかを確認することが大切です。

カタログ上の航続距離どおりに走れない

EVの航続距離は、気温、速度、エアコンの使用、積載量、道路の勾配、運転方法などによって変わります。

特に冬場は、暖房の使用や低温の影響で電費が悪化し、走行できる距離が短くなることがあります。

高速道路を長時間走る場合も、速度や走行条件によって電力消費が増え、想定より早く充電が必要になることがあります。

そのため、カタログ値だけで判断するのではなく、普段の走行距離に余裕を持たせ、季節や高速道路での利用も想定して車種を選ぶ必要があります。

車両価格や初期費用が高くなりやすい

EVは車種やグレードによって価格に幅がありますが、同クラスのガソリン車やハイブリッド車と比べて、車両価格が高い場合があります。

購入時に補助制度の対象となる車種や地域もありますが、制度の内容、対象条件、申請期間、予算状況は変わるため、利用できることを前提に予算を組むのは避けましょう。

自宅に充電設備を設置する場合は、機器代や工事費が別途かかることがあります。

車両価格だけでなく、充電設備、補助制度、税金、保険、整備費用などを含めて、購入総額を比較することが重要です。

バッテリーの劣化や交換費用が心配される

EVのバッテリーは、使用年数や充放電の状況、温度環境などの影響を受け、時間とともに性能が変化します。

バッテリーの状態によっては、新車時より一度に走れる距離が短くなる可能性があります。

ただし、劣化の程度や保証条件は車種、使い方、メーカーによって異なるため、「数年で必ず交換が必要」と一律に考えるのは適切ではありません。

保証の対象期間や走行距離、保証を受けるための条件、バッテリーの状態確認方法を、購入前に販売店やメーカーの公式情報で確認しましょう。

中古車として売却するときの価格が読みにくい

EVの中古車価格は、車種の人気、年式、走行距離、バッテリーの状態、新車価格や補助制度の変化などによって左右されます。

新型車の登場や価格改定によって、旧モデルの査定額が変わることもあります。

将来の売却価格を正確に予測するのは難しいため、数年後に高く売れることを前提に購入すると、想定との差が生じる可能性があります。

乗り換え時期が決まっている人は、購入時に複数の販売店や買取事業者へ査定条件を確認し、残価設定型ローンを利用する場合は契約条件も慎重に確認してください。

EVオーナーの口コミ・評判で見られる傾向

個々の口コミは、車種や地域、住環境、使い方によって異なります。

ここでは、EVの利用者から聞かれやすい評価を、特定の投稿を代表例として扱うのではなく、購入検討時に確認したい傾向として紹介します。

満足につながりやすい声

自宅で充電できる利用者からは、ガソリンスタンドへ立ち寄る回数が減り、日常の充電を生活の中に組み込みやすいという評価が聞かれます。

また、モーターによる滑らかな加速や、走行中の静かさを気に入る人もいます。

近距離の通勤や買い物が中心で、毎日の走行距離が長くない人は、航続距離を気にせず使える場面が多く、EVのメリットを感じやすいでしょう。

自宅の電気料金プランや充電時間を工夫し、燃料費を抑えられたと感じる人もいます。

不満につながりやすい声

充電器のない集合住宅に住んでいる人からは、充電のために外出したり、空き状況を気にしたりするのが負担という声が出ることがあります。

長距離移動を頻繁にする人は、充電場所や充電時間を考慮した経路計画が必要となり、ガソリン車より移動の自由度が低いと感じる場合があります。

冬場の航続距離や、充電設備の故障・混雑に不安を感じる人もいます。

車両価格や売却価格について、購入前の想定と実際の費用に差があったと感じるケースもあります。

評価されやすい点不満になりやすい点
自宅で充電でき、給油のための立ち寄りが減る自宅や生活圏に使いやすい充電設備がない
滑らかな加速や静かな走行を楽しめる充電に時間がかかり、待ち時間が発生することがある
近距離の移動を中心に使いやすい長距離移動では充電計画が必要になる
電気料金や利用状況によっては走行費用を抑えられる車両価格、設備費、売却価格を含めた総費用が読みにくい

口コミを参考にするときは、評価の良し悪しだけでなく、投稿者の住環境や走行距離、充電方法も確認してください。

自宅で充電できる人の「便利」という評価を、公共充電に頼る人にもそのまま当てはめることはできません。

EVの購入をやめたほうがよい人

EVは誰にとっても最適な車ではありません。

次のような条件に当てはまる場合は、購入を急がず、ハイブリッド車やガソリン車も含めて比較するのがおすすめです。

自宅や職場で充電できず、近くにも充電器が少ない人

日常的に使える充電場所がなく、公共充電器まで毎回移動する必要がある場合、充電そのものが負担になる可能性があります。

充電器の利用料金や駐車料金、移動時間も含めて、実際の利便性を確かめましょう。

長距離移動や高速道路の利用が多い人

長距離移動を頻繁に行う人や、充電計画を立てにくい地域へ出かける人は、途中の充電設備を事前に確認する必要があります。

充電の待ち時間が予定に影響しやすい人は、急速充電器の設置場所や稼働状況、代替となる充電場所まで調べておくことが重要です。

充電の手間を避けたい場合は、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も比較対象になります。

寒冷地で使い、航続距離に十分な余裕がない人

冬の気温が低い地域では、暖房の使用などによって走行距離が変化する可能性があります。

通勤や送迎で毎日長い距離を走る人は、冬場の実用性や自宅充電の可否を含めて、候補車を試乗・確認してください。

購入時の支出を抑えたい人

車両価格や充電設備の費用を含めた初期負担が、家計に大きな影響を与える場合は、補助金だけを頼りに購入を決めないようにしましょう。

購入費用だけでなく、ローンの金利、保険料、電気代、車検や整備にかかる費用まで含めて比較する必要があります。

EVが向いている人

一方、使い方や住環境が合えば、EVは日常の移動に便利な選択肢になります。

次のような人は、購入後の満足度が高くなる可能性があります。

自宅に駐車スペースがあり、充電設備を使える人

自宅で充電できれば、外出先で充電器を探す頻度を減らせます。

自宅の電気設備や駐車場の条件によって設置の可否や費用が異なるため、購入契約の前に工事業者や販売店へ確認しましょう。

毎日の走行距離が比較的短く、用途が決まっている人

通勤や買い物など、日々の移動範囲が一定であれば、必要な航続距離を予測しやすくなります。

普段の走行距離に加えて、寄り道や渋滞、冬場の使用も考慮したうえで、余裕のある車種を選ぶことがポイントです。

充電時間を生活の中に組み込める人

自宅や職場、買い物先など、車を駐車している間に充電できる環境があれば、充電のためだけに時間を確保せずに済むことがあります。

普段よく利用する施設に充電設備があるか、利用条件や料金を含めて確認してください。

車両価格だけでなく長期的な費用で比較できる人

EVの経済性は、購入価格だけでは決まりません。

年間走行距離、電気料金、ガソリン価格、充電設備の費用、税金、保険、メンテナンス費用、売却価格などによって、総費用は変わります。

自分の利用条件で複数の車種を比較し、数年間の維持費を試算できる人は、納得感のある選択をしやすくなります。

EVとハイブリッド車・ガソリン車の違い

どの車が適しているかは、走行距離や充電環境、購入予算によって異なります。

EVだけに絞らず、ハイブリッド車やガソリン車と比較すると、自分に合う選択肢が見つかりやすくなります。

比較項目EVハイブリッド車ガソリン車
エネルギーの補給主に外部から充電する給油が中心で、車種によって電気も活用するガソリンを給油する
自宅充電の必要性あると利便性が高まりやすい一般的なハイブリッド車では通常不要不要
長距離移動充電計画が必要になる場合がある給油しやすく、計画を立てやすい給油しやすく、計画を立てやすい
走行費用電気料金や充電方法で変わる燃費やガソリン価格で変わる燃費やガソリン価格で変わる

表は一般的な傾向であり、実際の使い勝手や費用は車種、地域、走行条件によって異なります。

なお、プラグインハイブリッド車は、外部充電もできるハイブリッド車です。

EVのように電気だけで走行できる距離は車種ごとに異なるため、通常のハイブリッド車と同じものとして比較しないようにしましょう。

EVで後悔しないための購入前チェックリスト

EVが自分に合うかどうかは、試乗だけでなく、購入後の使い方を具体的に想定して判断することが重要です。

契約前に、以下の項目を確認しておきましょう。

  • 自宅や職場、生活圏内に利用しやすい充電設備があるか
  • 自宅に充電器を設置できるか、設置する場合の工事費はいくらか
  • 通勤、買い物、送迎などの普段の走行距離はどのくらいか
  • 冬場や高速道路での利用を含めても、航続距離に余裕があるか
  • 旅行先や帰省先までのルートに充電場所があるか
  • 急速充電器の利用料金、営業時間、利用条件を確認したか
  • 車両価格、補助制度、設備費、税金、保険、電気代を含めて総費用を比較したか
  • バッテリー保証の期間、走行距離、適用条件を確認したか
  • 数年後の売却価格に過度な期待をしていないか

特に、自宅で充電できるかどうかは、日々の使い勝手を大きく左右します。

充電設備の設置が難しい場合は、公共充電器だけで無理なく運用できるか、購入前に実際の生活動線で確認してください。

「EVはやめとけ」は本当なのか

「EVはやめとけ」という意見は、すべての人に当てはまる結論ではありません。

自宅や職場で充電できない、長距離移動が多い、充電待ちを避けたいといった人には、EVが不便に感じられる可能性があります。

一方、自宅充電ができ、日々の走行距離が安定していて、長距離移動の頻度が低い人なら、充電の手間を抑えながらEVを活用しやすいでしょう。

EVに対する評価が分かれるのは、車そのものの性能だけでなく、充電環境と使い方が人によって異なるためです。

そのため、口コミの評価だけで決めるのではなく、充電場所、走行距離、購入総額、保証内容を自分の条件に当てはめて判断することが大切です。

まとめ

EVが「やめとけ」と言われる主な理由は、充電にかかる時間、充電場所の確保、航続距離の変化、初期費用、バッテリーや売却価格への不安です。

ただし、これらの課題が購入者全員に同じように当てはまるわけではありません。

自宅や職場で充電でき、普段の走行距離が短く、充電時間を生活に組み込める人にとって、EVは便利な選択肢になる可能性があります。

反対に、充電環境が整わない人や長距離移動が多い人は、ハイブリッド車やガソリン車も含めて慎重に比較するのがおすすめです。

EVを買うべきか迷ったら、口コミの評判だけで決めず、自分の生活圏で充電できるか、購入から維持までの総費用に納得できるかを確認してから判断しましょう。