「格安SIMはやめとけ」という意見を見て、乗り換えを迷っている方もいるのではないでしょうか。
格安SIMには、時間帯によって通信速度が落ちる、店舗で相談しにくい、現在のスマートフォンが使えない場合があるといった注意点があります。
一方で、格安SIMすべてが遅くて不便というわけではなく、通信方式やサポート体制を理解して選べば、通信費を抑えながら快適に利用できます。
この記事では、「やめとけ」と言われる理由や後悔につながりやすいケース、格安SIMが向いている人、契約前に確認したいポイントを解説します。
「格安SIMはやめとけ」と言われる主な理由
格安SIMへの不満は、主に通信速度、サポート、手続き、端末との相性に関するものです。
ただし、サービスによって仕組みや条件は異なるため、格安SIM全体に当てはまる問題と、特定の会社やプランで起きやすい問題を分けて考える必要があります。
昼休みや夕方に通信速度が遅くなることがある
格安SIMのうち、MVNOと呼ばれる事業者は、大手携帯電話会社の回線の一部を借りてサービスを提供しています。
利用者が集中する時間帯には借りている通信設備の容量に対して通信量が増え、昼休みや夕方などに速度が低下することがあります。
その結果、ウェブページの表示に時間がかかったり、動画が途中で止まったり、画像の多いSNSが読み込みにくくなったりする場合があります。
速度低下の程度は、事業者、プラン、場所、時間帯、利用端末などによって変わります。
同じ会社の利用者でも、通勤先や自宅の電波状況によって体感が異なるため、口コミの速度だけで自分の利用環境を正確に判断するのは困難です。
また、「格安SIM」と呼ばれるサービスには、MVNOだけでなく、大手携帯電話会社が自社回線で提供するオンライン専用プランやサブブランドも含めて語られることがあります。
これらは回線の仕組みや混雑時の通信品質が同じではないため、名称だけで一括りにしないことが大切です。
店舗や電話でのサポートが限られることがある
格安SIMでは、申し込みや契約後の手続きをオンライン中心にしている会社が少なくありません。
そのため、店舗でスタッフに設定を頼みたい人や、電話で相談しながら問題を解決したい人は、不便に感じる可能性があります。
問い合わせ窓口がチャットやウェブフォーム中心の場合、質問内容によっては回答まで時間がかかることもあります。
一方で、店舗を設けている事業者や、有料のサポートサービスを用意している事業者もあります。
サポートを重視する場合は、窓口の種類だけでなく、営業時間、店舗で対応できる内容、初期設定の支援範囲、追加料金の有無まで確認しましょう。
初期設定やトラブル対応を自分で行う場合がある
オンラインで申し込んだ場合、SIMカードの差し替えや開通手続き、通信設定などを自分で進めることがあります。
端末によっては、SIMカードを入れただけでは通信できず、APNと呼ばれる接続先の設定が必要です。
設定方法は事業者や端末によって異なり、案内どおりに操作すれば難しくない場合が多いものの、スマートフォンの操作に不慣れな人には負担になることがあります。
eSIMを利用する場合は、対応端末かどうかを確認したうえで、プロファイルのダウンロードや開通操作を行う必要があります。
手続き中に通信ができなくなったときに備え、Wi-Fi環境や別の連絡手段を確保しておくと安心です。
現在のスマートフォンを使えないことがある
格安SIMに乗り換えても、手持ちの端末を必ずそのまま使えるとは限りません。
端末の対応周波数帯、SIMロックの状態、音声通話方式、事業者の動作確認状況などによって、通信できない、通話が不安定になる、一部機能が使えないといった問題が起こることがあります。
端末が古い場合や、海外で購入した端末の場合は、国内の通信方式や周波数帯に十分対応していない可能性があります。
契約前に、利用予定の端末が事業者の動作確認端末一覧に掲載されているかを確認してください。
動作確認済みであっても、すべての機能や利用環境での動作を保証するものではないため、対応するSIMの種類や注意事項もあわせて読みましょう。
キャリアメールや一部サービスの扱いが変わる
大手携帯電話会社から乗り換えると、従来の携帯電話会社のメールアドレスをそのまま使えなくなる場合があります。
メールアドレスを継続するためのサービスが提供されていることもありますが、利用条件や料金は事業者によって異なります。
銀行、通販サイト、会員サービス、学校や職場の連絡先などにキャリアメールを登録している場合は、乗り換え前に別のメールアドレスへ変更しておきましょう。
また、家族割引、光回線とのセット割引、キャリア決済、留守番電話、迷惑電話対策なども、乗り換え後に条件が変わる可能性があります。
料金が思ったほど安くならない場合がある
格安SIMの基本料金だけを見て乗り換えると、通話料やオプション料金を含めた総額が想定より高くなることがあります。
たとえば、通話定額、端末補償、留守番電話、追加データなどを契約すると、毎月の支払いが増える場合があります。
また、現在の携帯電話会社で受けている家族割引や光回線とのセット割引がなくなると、乗り換え先の基本料金との差が小さくなることもあります。
比較するときは、月額基本料金だけでなく、通話料、オプション、端末代、割引の終了、契約時の費用を含めて考えましょう。
格安SIMに関する口コミで見られる後悔のパターン
口コミには、実際の利用者の体験が反映される一方で、利用地域や端末、使い方が異なるため、すべての人に当てはまるとは限りません。
ここでは、格安SIMに関する口コミでよく見られる不満の傾向を紹介します。
「昼に動画が止まって困った」という声
MVNOのプランでは、回線が混雑する時間帯に速度が落ち、動画やビデオ通話が使いにくくなったという声が見られます。
特に、高画質の動画を頻繁に視聴する人や、外出先でオンライン会議を行う人は、通信速度の変化が生活に影響しやすいでしょう。
反対に、主な用途がメッセージの送受信やウェブ閲覧で、混雑時間帯に大容量通信をしない人は、速度低下が大きな問題にならない場合もあります。
「設定が分からず、開通まで時間がかかった」という声
申し込み後の開通手続きやAPN設定でつまずいたという口コミもあります。
説明書や公式サイトの手順を見ながら進められる人には対応しやすい作業でも、スマートフォンの設定に慣れていない人は不安を感じることがあります。
不安がある場合は、申し込み前に初期設定の案内や店舗サポートの有無を確認し、必要ならサポートを利用できるプランを選びましょう。
「問い合わせ先が見つからない、すぐに相談できない」という声
オンライン中心の事業者では、店舗窓口がないことや、問い合わせ方法がチャット中心であることに不満を感じる利用者もいます。
トラブル発生時に対面で相談したい人にとっては、料金の安さよりもサポートの受けやすさが重要になる場合があります。
契約前に、問い合わせ方法と営業時間、緊急時の連絡手段を確認しておくと、契約後のミスマッチを減らせます。
「必要なデータ量が足りず、追加料金がかかった」という声
月々のデータ使用量を把握しないまま小容量プランを選び、データを追加購入することになったケースもあります。
動画視聴やテザリング、アプリの更新をモバイル通信で行う場合、本人が想定するよりデータを消費することがあります。
乗り換え前に、現在の端末や携帯電話会社の利用履歴から数か月分のデータ使用量を確認し、余裕を持ったプランを選ぶことが大切です。
口コミは利用条件と投稿日を確認する
通信品質は地域や時間帯によって異なるため、口コミを見るときは、投稿者の利用場所や端末、契約プラン、利用時期を確認しましょう。
通信サービスは設備やプランが変更されることがあるため、古い口コミが現在の状況を表しているとは限りません。
一つの投稿だけで判断せず、複数の情報を参考にしながら、公式サイトの動作確認情報やサービス条件も確認してください。
格安SIMは本当にやめたほうがいい?
格安SIMを一律に「やめたほうがいい」と判断する必要はありません。
重要なのは、料金の安さだけで決めるのではなく、自分が必要とする通信品質、サポート、機能を満たすサービスを選べるかどうかです。
通信速度の変動を許容できない人や、困ったときに対面サポートが必要な人は、契約前に慎重な比較が必要です。
一方、データ使用量を把握できていて、オンライン手続きに対応でき、利用する場所で問題なく通信できるなら、格安SIMは有力な選択肢になります。
| 利用者の特徴 | 格安SIMとの相性 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| スマートフォンの料金を抑えたい | 相性がよい傾向があります | 割引終了後を含めた月額総額 |
| 昼休みに動画やオンライン会議をよく利用する | 通信方式によっては注意が必要です | 混雑時の速度と利用場所での評判 |
| 店舗で設定や相談をしたい | 店舗サポートの有無によります | 店舗数、対応範囲、サポート料金 |
| 毎月のデータ使用量が少ない | 相性がよい傾向があります | 必要なデータ量と低速時の条件 |
| 仕事で通話や通信を常に使う | 慎重な比較が必要です | 通話品質、障害時の対応、予備回線 |
| 手持ちの端末を長く使いたい | 端末の対応状況によります | 動作確認、周波数帯、SIMロック |
格安SIMが向いていない人
混雑時間帯にも安定した高速通信が必要な人
昼休みや夕方の通信速度低下が仕事や生活に直結する人は、契約する通信サービスを慎重に選ぶ必要があります。
たとえば、外出先でオンライン会議を頻繁に行う人、大容量のファイルを送受信する人、移動中に高画質動画をよく見る人は、混雑時の通信品質を重視しましょう。
「5G対応」と書かれていても、常に高速通信が利用できるとは限りません。
通信速度は、対応エリア、端末、電波状況、ネットワークの混雑などに左右されます。
通信の安定性を優先する場合は、サービスの通信方式に加えて、実際に使う場所での利用者の情報や、必要に応じて大手携帯電話会社のプランも比較しましょう。
店舗で手厚いサポートを受けたい人
端末の初期設定やアプリの使い方まで店舗で相談したい人は、オンライン中心のサービスでは物足りなさを感じる可能性があります。
格安SIMの中にも店舗やサポート窓口を用意しているサービスはありますが、すべての手続きや相談を店舗で受けられるとは限りません。
家族のスマートフォンをまとめて管理している場合は、家族全員が必要なサポートを受けられるかも確認してください。
携帯電話会社のサービスを幅広く使っている人
キャリアメール、キャリア決済、家族割引、光回線とのセット割引などを活用している人は、乗り換えによって利便性や割引が変わることがあります。
毎月の通信料金が下がっても、別のサービスの料金が上がれば、家計全体では節約にならない場合があります。
現在利用しているサービスを一覧にし、乗り換え後も必要なものを継続できるか確認しましょう。
スマートフォンの設定やオンライン手続きが苦手な人
申し込みや開通を自分で行うことに強い不安がある場合は、契約前に設定支援の内容を確認することが重要です。
家族や知人に手伝ってもらえる場合でも、トラブル時に誰が対応するのかをあらかじめ決めておくと安心です。
設定の簡単さやサポートを優先したい人は、料金の差だけでなく、店舗や有料支援を含む総合的な使いやすさで比較しましょう。
格安SIMが向いている人
毎月の通信費を下げたい人
毎月のデータ使用量が少ない人や、必要な容量が明確な人は、自分に合ったプランを選ぶことで通信費を抑えられる可能性があります。
ただし、現在の割引や通話料を含めて比較しなければ、乗り換えによる節約額を正しく把握できません。
家族全員で契約を変更する場合は、一人ずつの使用量や通話頻度を確認して、まとめて同じプランにする必要があるかも検討しましょう。
Wi-Fiを中心に使い、モバイル通信量が少ない人
自宅や職場、学校などでWi-Fiを利用する機会が多い人は、外出時に必要なデータ量が比較的少なくなる場合があります。
通信量が少ないプランを選ぶことで、使っていないデータに料金を払うことを避けられます。
ただし、Wi-Fiが利用できない場所で動画を視聴したり、地図や音楽を長時間使ったりする人は、外出時の使用量も考慮してください。
オンラインでの申し込みや設定に抵抗がない人
ウェブサイトの案内に沿って申し込み、必要に応じて端末の設定を行える人は、オンライン中心のサービスを利用しやすいでしょう。
手続きの前に本人確認書類、支払い方法、連絡用メールアドレス、端末情報を準備しておけば、申し込みを進めやすくなります。
通信速度の変動を使い方でカバーできる人
動画をあらかじめダウンロードする、アプリの更新をWi-Fi接続時に行う、混雑時間帯の大容量通信を避けるといった工夫ができる人は、速度低下の影響を軽減できる場合があります。
ただし、通信速度の変動を工夫だけで解決できるわけではありません。
重要な仕事や緊急連絡で通信が必要な場合は、利用するサービスの特性を理解したうえで、別の連絡手段や予備回線も検討しましょう。
後悔を防ぐために契約前に確認すること
自分のデータ使用量を数か月分確認する
プラン選びでは、なんとなくの感覚ではなく、過去数か月のデータ使用量を確認しましょう。
月によって利用量に差がある場合は、平均だけでなく、使用量が多かった月も参考にしてください。
動画、ゲーム、テザリング、ビデオ通話など、データを多く使う用途がある場合は、今後の生活の変化も見込んで容量を選びます。
プランの容量を超えた後の通信速度や、データ追加の料金、追加できる容量も確認しておきましょう。
通話の頻度と通話オプションを確認する
短い通話をときどきするだけなのか、仕事や家族との連絡で長電話をするのかによって、適した通話オプションは変わります。
通話定額の対象外となる番号や通話、専用アプリを使う条件がある場合もあるため、オプションの説明を確認してください。
留守番電話、着信転送、迷惑電話対策などが必要な人は、利用可否や追加料金を契約前に調べておきましょう。
利用予定の場所で電波が入るか調べる
サービスの提供エリア内であっても、建物の中や地下、山間部などでは電波が弱くなることがあります。
自宅、職場、学校、通勤・通学経路など、よく利用する場所が対応エリアに含まれているかを公式のエリア情報で確認してください。
可能であれば、身近な利用者の声も参考にしながら、自分が使う時間帯や場所で問題がないかを確認しましょう。
端末の対応状況とSIMの種類を確認する
手持ちの端末を使う場合は、事業者の動作確認端末一覧で型番まで照合してください。
同じ機種名でも、購入元や型番によって対応状況が異なることがあります。
SIMカードとeSIMのどちらに対応しているか、音声通話やテザリングが利用できるか、必要な設定があるかも確認しましょう。
SIMロックがかかっている端末を使う場合は、解除が必要かどうかを購入元や事業者の案内で確認してください。
月額料金ではなく総額で比較する
乗り換え先の料金を比較するときは、毎月の基本料金に加えて、通話料、オプション、端末代、初期費用などを含めます。
現在の契約に家族割引やセット割引がある場合は、乗り換えによって家族全体の料金がどう変わるかも計算してください。
キャンペーンや期間限定の割引を利用する場合は、割引終了後の料金を確認し、通常時の支払い額で比較することが大切です。
サポートと解約条件を確認する
問い合わせ方法、営業時間、店舗で対応できる内容、初期設定支援の有無を確認しましょう。
あわせて、契約期間の条件、解約時の費用、端末の分割払い、乗り換え時の手続きについても確認してください。
解約条件や料金は契約内容によって異なるため、古い情報ではなく、申し込み時点の公式案内を確認することが重要です。
格安SIMに乗り換えるときの基本的な流れ
乗り換え前に必要な準備をする
まず、現在の契約内容、端末の型番、月々のデータ使用量、通話オプションを確認します。
キャリアメールを利用している場合は、必要なアカウントの登録情報を変更し、乗り換え後に受信できるメールアドレスを用意しておきましょう。
連絡先や写真など、端末内のデータをバックアップしておくと、機種変更を伴う場合にも備えられます。
申し込みと回線の切り替えを行う
契約するサービスとプランを選び、公式の申し込み手順に沿って本人確認や支払い方法の登録を行います。
現在の電話番号を引き継ぐ場合は、申し込み画面の案内に従って番号移行の手続きを進めてください。
回線を切り替えるタイミングによって、旧回線が使えなくなる時間帯が発生する場合があるため、必要な連絡を先に済ませておくと安心です。
端末の設定と動作確認をする
SIMカードを端末に入れるか、eSIMの設定を行った後、必要に応じてAPNなどの通信設定を行います。
設定後は、モバイル通信、発着信、SMS、テザリングなど、必要な機能が使えるかを確認しましょう。
つながらない場合は、端末の再起動、設定内容、通信エリア、事業者の案内を確認し、それでも解決しないときはサポート窓口へ問い合わせてください。
よくある質問
格安SIMにすると電話番号は変わりますか?
電話番号を引き継ぐ手続きを利用できる場合は、現在の番号を継続できます。
申し込み先や契約状況によって手順が異なることがあるため、乗り換え先の案内に沿って手続きをしてください。
格安SIMは災害時につながりにくいですか?
災害時の通信状況は、被災地域、基地局や回線の被害、通信の集中、契約しているサービスなどによって変わります。
格安SIMだから必ずつながらない、あるいは必ずつながるとは言い切れません。
災害時の連絡方法を複数用意し、Wi-Fiや災害用伝言サービスなどの利用方法を事前に確認しておくことが大切です。
格安SIMなら必ず通信速度が遅いですか?
すべての格安SIMが常に遅いわけではありません。
通信方式や時間帯、場所、端末によって実際の速度は異なるため、事業者の仕組みと利用環境を確認して選びましょう。
格安SIMは初心者でも契約できますか?
オンラインでの申し込みや初期設定に対応できる人であれば、初心者でも利用できます。
設定に不安がある場合は、店舗サポートや初期設定支援が利用できるサービスを選ぶとよいでしょう。
乗り換えれば必ず安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。
通話料やオプション、端末代、現在受けている割引の終了などを含めた総額で比較する必要があります。
まとめ
「格安SIMはやめとけ」と言われる主な理由は、混雑時間帯の速度低下、サポートの限界、初期設定の手間、端末との相性、割引やメールサービスの変更などです。
これらはすべてのサービスや利用者に同じように当てはまるわけではなく、通信方式や契約内容、利用環境によって状況が異なります。
通信速度や対面サポートを最優先する人は慎重な比較が必要ですが、データ使用量を把握していてオンライン手続きに対応できる人には、格安SIMが合う場合があります。
契約前に、利用場所での通信状況、端末の動作確認、必要なデータ量、サポート内容、割引を含めた総額を確認することが、乗り換え後の後悔を防ぐポイントです。
料金の安さだけで決めず、自分の使い方に合ったサービスを選びましょう。
