肌寒い季節になると、コンビニの店頭から漂ってくる出汁の香りに誘われ、ついついおでんを手に取ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
日本の冬の風物詩とも言えるコンビニおでんですが、実は店舗やチェーンによって販売開始時期や終了時期には細かな違いがあります。
近年では、衛生面への配慮や食品ロス削減の観点から、レジ横のオープン什器での販売だけでなく、パック詰めの商品や注文を受けてから調理するスタイルなど、その提供形態も多様化しています。
本記事では、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社を中心に、2025年から2026年にかけての最新の販売傾向を詳しく解説します。
コンビニおでんの販売時期はいつからいつまで?
コンビニでおでんが並び始める時期は、多くの人が想像する「真冬」よりもずっと早い段階から始まります。
一般的には、残暑が和らぎ始める8月下旬から9月上旬にかけて、順次店頭に登場するのが通例となっています。
販売開始の目安は気温の変化
コンビニ各社がおでんの販売を開始する最大の基準は「最低気温の変化」にあります。
人間が温かい食べ物を欲し始めるのは、気温が急激に下がったタイミングや、秋の気配を感じる最低気温が20度を下回る頃だと言われています。
特に8月末の夜間に気温が下がるタイミングは、冷たい飲み物から温かい食べ物へと消費者のニーズが切り替わる「スイッチ」となるため、各社はこの時期を逃さずに展開を開始します。
ただし、全国一斉に始まるわけではありません。
北海道や東北地方などの寒冷地では、関東や九州に比べて2週間から1ヶ月程度早く販売がスタートすることもあります。
逆に、沖縄などの温暖な地域では、冬期限定の展開であったり、カウンター販売を行わない店舗もあったりと、地域性が強く反映されます。
販売終了は3月から4月頃
一方で、おでんの販売が終了する時期は、春の訪れを感じる3月から4月頃が一般的です。
気温が上昇し、冷やし中華やざるそばなどの冷たい麺類の需要が高まる時期になると、レジ横の什器は撤去されます。
しかし、近年では「パックおでん」の普及により、通年で提供する店舗も増えています。
冷蔵コーナーに陳列されている袋入りのおでんであれば、季節を問わず楽しむことが可能です。
セブン-イレブンの販売時期と特徴
セブン-イレブンは、コンビニ業界の中でも特におでんの品質と出汁へのこだわりが強いことで知られています。
2025-2026年の販売スケジュール
セブン-イレブンでは、早い店舗で8月の最終週からおでんの販売を順次開始します。
例年の傾向として、9月に入ると全国の過半数の店舗で販売が本格化します。
| 地域 | 販売開始時期(目安) | 販売終了時期(目安) |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 8月中旬〜下旬 | 3月末 |
| 関東・東海・関西 | 8月下旬〜9月上旬 | 4月上旬 |
| 九州・中国・四国 | 9月上旬 | 4月上旬 |
上記のように、北から南へと販売の波が広がっていきます。
セブン-イレブンのおでんは、地域ごとに「出汁」の配合を変えているのが大きな特徴で、関東ではカツオと醤油のキレを、関西では昆布の旨味を強調するなど、その土地の好みに合わせた調整が行われています。
セブン-イレブンのおでん提供スタイル
セブン-イレブンでは、従来の「レジ横オープン什器」での販売に加え、カップタイプのおでんの展開にも力を入れています。
これは、あらかじめ具材と出汁がカップに入った状態で販売されており、電子レンジで温めるだけで食べられるものです。
このスタイルは、衛生面を気にする層や、深夜・早朝に購入したい層から高い支持を得ています。
そのため、レジ横の鍋が空の状態でも、チルドコーナーを探せばおでんが見つかる可能性が高いのがセブン-イレブンの強みです。
ファミリーマートの販売時期と特徴
ファミリーマートは、おでんの具材のバリエーションが豊富で、若年層から高齢層まで幅広いファンを抱えています。
販売開始は9月上旬がメイン
ファミリーマートのおでん販売時期も、概ねセブン-イレブンと同様ですが、9月上旬に一斉展開する傾向があります。
ファミリーマートでは季節ごとのキャンペーンと連動させることが多く、おでんの「10円引きセール」などを販売開始に合わせて実施することが多々あります。
2025年から2026年にかけても、9月の第1週から第2週にかけて、多くの店舗でおでんの什器が設置される見込みです。
ファミリーマートの特徴は、「だし巻きたまご」や「厚揚げ」といった定番具材のボリューム感にあります。
ファミマのおでんの進化
近年、ファミリーマートでは「予約販売」や「セット販売」にも積極的に取り組んでいます。
夕食のおかずの一品として利用してもらうため、5品セットや7品セットなどのまとめ買いメニューを充実させています。
また、ファミリーマートの一部店舗では、注文を受けてから店員が奥の調理場から持ってくる、あるいはパウチ商品をその場で開封して提供するスタイルを採用しており、食品ロス削減に向けた取り組みが顕著です。
これにより、深夜でも鮮度の良いおでんを提供できるようになっています。
ローソンの販売時期と特徴
ローソンは、健康志向のユーザーに向けた商品開発が得意であり、おでんにおいてもその特色が現れています。
販売時期と地域別展開
ローソンのおでん販売開始時期は、大手3社の中で最も柔軟です。
早い店舗では8月中旬からテスト販売を開始することもあります。
また、ローソンはLAWSON STATIONとして地域密着を掲げているため、オーナーの判断で販売期間を長く設定している店舗も散見されます。
- 開始時期: 8月下旬から順次
- ピーク時期: 11月から1月
- 終了時期: 4月上旬
ローソンのおでんは、低カロリーな「しらたき」や「大根」の品質に定評があり、ダイエット中の昼食として選ぶ女性客も多いのが特徴です。
ローソンのこだわり具材
ローソンでは、定番の大根やたまごに加え、鶏つくねやソーセージ巻といった肉系の具材も充実しています。
また、「串物」のラインナップが豊富なのもローソンの魅力の一つです。
牛すじ串や、地域限定のつぶ貝串などは、お酒のおつまみとしても人気があります。
最近では、レジ横の什器を使用せず、チルドパックの商品を店内の電子レンジで温めてカップに移し替えて提供する「即席おでん」スタイルを取り入れる店舗が増えています。
これにより、24時間いつでも熱々のおでんを楽しむことが可能になっています。
なぜコンビニおでんは「8月」から売っているのか
多くの消費者が「まだ暑い」と感じる8月末に、なぜコンビニはおでんを売り出すのでしょうか。
これには、マーケティング上の緻密な計算があります。
寒暖差による心理的変化
おでんが最も売れるのは、実は真冬の氷点下の日ではなく、「昨日よりも気温が5度以上下がった日」や「秋一番の冷え込みを感じた日」です。
人間の体は急激な気温の変化に敏感であり、体温を維持しようとして温かい食べ物を無意識に求めます。
8月末から9月にかけては、日中は暑くても夜間や早朝にグッと気温が下がることがあります。
この「不意打ちの冷え」が、おでんの購買意欲を最も刺激するのです。
このタイミングで店頭におでんがあることで、消費者に「おでんの季節が来た」と強く印象づけることができます。
初動の売り上げがシーズンを左右する
コンビニ業界にとって、おでんは利益率が高く、かつ「ついで買い(おにぎりやパンなどを一緒に買うこと)」を誘発する重要なカテゴリーです。
シーズンの初期に固定客を掴むことが、冬本番の売り上げに直結します。
そのため、各社は競うように早い時期から販売を開始するのです。
コンビニおでんの買い方・選び方のコツ
美味しく、そして賢くコンビニおでんを楽しむためのポイントを紹介します。
狙い目の時間帯は?
レジ横のオープン什器でおでんを買う場合、具材に出汁がしっかり染み込んでいるタイミングを狙いたいものです。
一般的に、コンビニおでんの仕込みは午前中や、夕方のピーク前にかけて行われます。
- お昼時(11:00〜13:00): ランチ需要に合わせて具材がフル補充されています。
- 夕食時(17:00〜19:00): 最も鮮度が良く、種類も豊富な時間帯です。
- 深夜: 清掃や廃棄のタイミングとなるため、種類が少なくなっていることが多いです。
おすすめは、夕方のピークが始まる少し前の16時頃です。
この時間帯は、お昼の売れ残りが整理され、夜に向けて新しい具材が投入されてから少し時間が経過しているため、味が程よく染みた状態のものが手に入りやすいです。
衛生面が気になる場合は「パックおでん」
「レジ横の鍋が空気に触れているのが気になる」という方や、「深夜に買いに行ったら何もなかった」という方には、冷蔵(チルド)コーナーにある袋入りのパックおでんがおすすめです。
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 保存性 | 賞味期限が長く、自宅にストックしておける |
| 衛生面 | 密封されているため、外部からの接触がない |
| 安定した味 | 工場で均一に味付けされており、ブレがない |
| 価格 | カウンターで購入するよりも、セット価格で割安な場合が多い |
特にセブン-イレブンの「おでん 6種入り」やファミリーマートの「だしが自慢のおでん」などは、レジ横の商品に負けないクオリティを実現しています。
地域別・ご当地おでんの楽しみ方
コンビニおでんは、地域によって「出汁」と「味噌・薬味」に大きな違いがあります。
旅行や出張の際に、地元のコンビニに立ち寄ってみるのも一興です。
味噌文化の東海・関西
東海地方のコンビニでは、おでんを購入すると必ずと言っていいほど「甘い味噌だれ」がついてきます。
セブン-イレブンなどでも、レジ横に個包装の味噌が用意されています。
関西地方では、牛すじ肉から出る旨味と昆布出汁を合わせた、やや甘みのある出汁が特徴です。
また、具材に「梅焼き」などの独特な練り物が入ることもあります。
九州の「柚子胡椒」
九州地方のコンビニでおでんを頼むと、薬味として「柚子胡椒」を付けてもらえるのが一般的です。
ピリッとした辛みと爽やかな柚子の香りが、おでんの出汁を引き立てます。
最近では関東圏の店舗でも、希望すれば柚子胡椒をもらえるケースが増えています。
静岡の「黒はんぺん」
静岡県内の店舗では、特産品の「黒はんぺん」が入っていることがあります。
魚のすり身を皮ごと使った独特の食感と風味は、静岡おでんのアイデンティティであり、全国チェーンのコンビニでも地域限定具材として大切にされています。
コンビニおでんをさらに美味しくするアレンジ術
そのまま食べても美味しいコンビニおでんですが、少しの手間を加えるだけで豪華な一品に変わります。
〆(しめ)の楽しみ
おでんの残った出汁には、具材から出た旨味が凝縮されています。
これを捨ててしまうのは非常にもったいないことです。
- うどん: 冷凍うどんを電子レンジで加熱し、残った出汁に入れるだけで「おでんうどん」が完成します。
- 雑炊: ご飯と卵を入れて軽く煮立てれば、贅沢な出汁雑炊になります。
- カレーの隠し味: 翌日のカレーを作る際に、水の代わりに出汁を使うと、深みのある和風カレーに仕上がります。
ちょい足し調味料
コンビニでもらえるカラシ以外にも、自宅にある調味料で味変を楽しむことができます。
ラー油:ピリ辛になり、おつまみ感がアップします。粉チーズ:大根やたまごに意外と合います。洋風な味わいに。とろろ昆布:出汁の旨味をさらに増強させたいときに最適です。
コンビニおでんの販売状況を確認する方法
「せっかくお店に行ったのにおでんが売っていなかった」という事態を避けるためには、事前の確認が有効です。
公式アプリの活用
セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの各公式アプリでは、在庫状況まで詳細にはわかりませんが、おでんのセール情報や新具材の発売情報をチェックすることができます。
特にセールが実施されている期間は、ほぼ間違いなく店頭で販売されています。
店舗への直接確認
確実に手に入れたい場合、特に大量に購入したい(家族分をまとめて買うなど)場合は、事前に店舗へ電話で確認するのが最も確実です。
「現在おでんを販売しているか」「希望の具材が揃っているか」を聞けば、親切に教えてくれる店舗がほとんどです。
デリバリーサービスの利用
Uber Eats(ウーバーイーツ)や出前館、menuなどのデリバリーサービスに対応しているコンビニであれば、アプリ上のメニューでおでんの有無を確認できます。
メニューに掲載されていれば、その店舗ではおでんを販売しているという証拠になります。
まとめ
2025年から2026年にかけてのコンビニおでんは、例年通り8月下旬から9月上旬にかけて販売が開始され、翌年の3月から4月頃まで店頭に並ぶ見込みです。
セブン-イレブンは出汁とカップおでん、ファミリーマートはボリュームとセット販売、ローソンは健康志向と串物といったように、各チェーンがそれぞれの強みを活かした展開を行っています。
近年の傾向として、レジ横のオープン什器による販売は減少傾向にありますが、その分パウチ商品やカップ商品のクオリティが飛躍的に向上しています。
また、食品ロス削減の観点から、時間帯によって提供方法を変える店舗も増えており、消費者はより衛生的に、かつ無駄なくおでんを楽しめる環境が整っています。
季節の変わり目に感じるふとした冷え込みの夜、お近くのコンビニに立ち寄って、熱々のおでんで心も体も温めてみてはいかがでしょうか。
地域限定の具材や出汁の違いを楽しみながら、自分だけのお気に入りのおでんセットを見つけてみてください。






